成分と栄養素
コガネバナエキスとは?コガネバナエキスの基本と研究情報をわかりやすく解説!
健康スペシャルティ
公開日 1970/01/01
最終更新日 2026/03/23
高齢化が進む近年、健康寿命を伸ばすためには運動機能を維持することが重要であると広く知られるようになり、関節や骨などの運動器に高い関心が集まっています。要支援・要介護になる原因の約25%が「運動器の障害」というデータもあり、健康な運動器を維持するため、適度な運動を生活習慣へ取り入れることが推奨されています。しかし、中高年になると感じやすくなる階段の昇り降りの際の違和感や関節のこわばりは、こうした適度な運動習慣の妨げになるため、悩みを抱える方も多いです。そのなかで、こうした日常の変化をサポートする食品素材として、いま注目されつつあるのが「コガネバナエキス」です。
この記事では、コガネバナエキスの基礎情報から含有成分、関節の機能維持に役立つ可能性を示唆する研究情報について、皆さんへわかりやすくご紹介します。
コガネバナとは?
コガネバナの基本情報
コガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)は、シソ科に属する多年草で、中国北部からシベリア東部、朝鮮半島にかけて広く分布している植物です。
中国では、根を用いた生薬が「黄芩(おうごん)」と呼ばれ、古くから解熱剤や下痢止めとして伝統医学に利用されてきました。日本へは江戸時代に渡来したとされており、黄芩に用いられるコガネバナの根は「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」に記載され、日本でも漢方などに利用されています(1)。
一方、コガネバナの茎は食品素材に活用されており、茎から抽出したコガネバナエキスは、近年健康食品の成分として注目されるようになってきています。
コガネバナの成分
コガネバナには、フラボノイドや多糖類、アミノ酸など、さまざまな成分が含まれています。
フラボノイドは、ポリフェノールのなかでも特徴的な構造を持つ物質の総称で、植物が外敵や紫外線などから身を守るために作る天然の有機化合物です。ポリフェノールの一種であるフラボノイドは、酸化ストレスの原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用、感染症を起こす菌の増殖を防ぐ抗菌作用など、幅広い機能を持つことが知られています。
フラボノイドにはさまざまな種類がありますが、コガネバナはバイカレインという特有のフラボノイドを持つことが知られています。バイカレインと、バイカレインの配糖体であるバイカリンは、さまざまな研究でその機能が調べられ、コガネバナの重要な成分として高い関心を集めています(2)。
また、コガネバナの茎に含まれる成分を分析した研究では、グルコース・スクロースなどの糖類、バリン・トリプトファン・GABAなどのアミノ酸、酪酸などの脂肪酸といった幅広い成分が含まれていることが報告されており、食品素材としての有用性にも高い関心が寄せられています(3)。
コガネバナの研究情報
コガネバナは、フラボノイドや多糖類などさまざまな成分を含むだけでなく、バイカレインやバイカリンなど特有の成分を含むことから注目を集め、その機能がさまざまな研究で調べられてきました。この項目では、そのなかでも特に関節への影響を示唆する研究情報について、いくつか解説していきます。
炎症反応や酸化ストレスへの影響に関する研究
コガネバナに含まれる豊富なフラボノイドは、炎症を抑える働きが注目され、さまざまな研究でその影響が調べられてきました。
コガネバナから得たフラボノイド抽出物を細胞に投与し、炎症反応への影響を調べた研究では、炎症誘発性サイトカインの発現が抑制された結果が報告されています。この研究では、コガネバナ由来のフラボノイド抽出物が炎症反応の調節において重要な役割を果たすシグナル伝達経路へ影響を与え、抗炎症作用を発揮することが示唆されています(4)。
また、コガネバナが含む豊富なフラボノイドは、高い抗酸化力を示すことでも注目されており、さまざまな研究で酸化ストレスへの影響も調べられてきました。コガネバナ由来のフラボノイドとその代謝物が発揮する抗酸化作用を、さまざまな細胞を対象にして調べた研究では、特にバイカレインが強力な抗酸化作用を示した結果が報告されています(5)。
コガネバナが含む特徴的な成分は、さまざまな作用により炎症へ影響を与える可能性が示唆されており、高い関心を集めています。
関節の違和感への影響に関する研究
コガネバナの茎から抽出されるコガネバナエキスは、アセンヤクノキの心材から抽出されるペグアセンヤクとの組み合わせが注目され、近年関節への影響がよく研究されています。
アセンヤクノキは、インド原産のマメ科の落葉低木で、心材に含まれる豊富なカテキンの機能が注目され、心材から抽出されるペグアセンヤクの利用にも高い関心が集まっています(6)。
コガネバナエキスとペグアセンヤクの組み合わせが関節の動かしやすさや違和感へどのような影響を与えるか調べた研究では、健康なボランティアに筋肉痛が生じる強度の激しい運動をしてもらい、一定期間サプリメントまたはプラセボを摂取した後の関節の状態を比較しました。その結果、サプリメントを摂取したグループではプラセボと比べ、肩関節や股関節の動かしやすさが改善される傾向にあった結果や、関節の痛みの指標が改善される傾向にあった結果が報告されています(7)。
コガネバナエキスは関節の違和感へ影響を与える可能性が示唆されていますが、茎から抽出されるコガネバナエキスは食品として利用される素材であり、これらの研究結果は関節への効果を保証するものではありません。コガネバナエキスの摂取による影響は現在も研究が進められており、さらなるデータの積み重ねが期待されています。
コガネバナエキスの活用のポイント
研究により、コガネバナの茎に含まれているフラボノイドは、関節の健康維持に役立つ可能性が示唆されています。また、コガネバナの茎は糖類やアミノ酸、脂肪酸といったさまざまな成分を含んでおり、全身の健康維持に役立つ可能性も示唆されています(3)。茎から抽出されるコガネバナエキスは、近年健康食品に配合されて流通しており、このような製品を活用すると定期的に摂取しやすいと考えられます。
ただし、食品成分は医薬品ではないため、治療や予防を目的として利用するのではなく、あくまで健康を維持するための食生活の補助として活用することが大切です。
関節ケアを意識するうえでは、近年「運動器の障害のために移動機能が低下した状態」として「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」が定義され、ロコモを予防するために適度な運動習慣を取り入れることが推奨されています(8)。
日々の生活習慣や栄養バランスを整え、必要な場合は適切な治療を受けるという関節ケアの基本を押さえたうえでコガネバナエキスを取り入れると、関節の健康維持に効果的だと考えられます。
他の食品成分との比較
関節の健康をサポートする素材として、コンドロイチンやグルコサミン、ヒアルロン酸、MSM(メチルスルフォニルメタン)などがよく知られており、コガネバナエキスと合わせて摂取できる健康食品も流通しています。
コンドロイチンやグルコサミンは、軟骨の構成成分として日頃から私たちの関節の健康を支えている重要な物質ですが、加齢により体内合成する能力が低下することも知られているため、食品成分としても注目されています。
それに対して、茎から得られるコガネバナエキスは、フラボノイドやアミノ酸、脂肪酸などの幅広い成分により、健康維持をサポートすることが期待されている食品素材です。
コガネバナに関する研究は現在も進められており、他のサポート成分との併用による相乗的なアプローチに関するデータの蓄積にも、期待が寄せられています。
コガネバナエキスの安全性
コガネバナは、中国を中心に古くから利用されてきた植物素材です。コガネバナの茎や葉などの地上部は、漢方に用いられる根とは異なって中国茶などに利用されており、マウスを用いた研究からは安全性の高さが示唆されています(9)。
しかし、すべての人で同様に安全とは限らないため、摂取する際に注意すべきポイントもあります。
たとえば、エキスとして濃縮された形で摂取する場合は、体調変化をよく観察しながら一度に大量に摂取しないよう注意することで、より安全に摂取できると考えられます。また、妊娠中・授乳中の方や、持病やアレルギーがある方、すでに薬を服用している方は、医療従事者に確認のうえ摂取を検討することをおすすめします。
まとめ
コガネバナエキスは、古くから用いられてきた伝統植物のひとつですが、近年その「茎」にも含まれるフラボノイドなどの成分が注目されるようになってきました。特に、コガネバナに特徴的な成分であるバイカレインは、炎症反応や酸化ストレスに影響を与える可能性が示唆されており、関節への影響が今後の研究の進展でさらに明らかとされることが期待されています。
コンドロイチンやグルコサミンなどの素材と併せて、関節の健康を維持したいと考える中高年層にとって、コガネバナエキスは新たな選択肢のひとつとなるかもしれません。
健康食品は治療や予防を目的に利用するものではなく、すぐに影響が表れるものではないため、日常の食生活・運動習慣を整えながら継続的に取り入れることで、コガネバナエキスを関節の健康維持に活用できると考えられます。