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MSMとは?関節への影響が注目されるMSMを解説!

健康スペシャルティ

公開日 1970/01/01

最終更新日 2026/03/10

​​MSMは、自然界に幅広く存在している有機硫黄化合物で、さまざまな植物や動物に含まれている物質です。アメリカでは、MSMが持つ炎症反応への影響に高い関心が集まり、特に関節や筋肉の健康をサポートする働きに期待が寄せられ、多くの研究でその効果とメカニズムが調べられてきました。さまざまな研究から、MSMが関節の健康維持に役立つ可能性が示唆されており、近年日本でも関心が高まってさまざまな食品に活用されてきています。

この記事では、MSMの基本情報や、研究報告で示唆されている関節への影響などを解説していき、皆さんの健康維持に役立つ情報をお届けします!

 

MSMとはどんなもの?

 

MSMの基本情報

「メチルスルフォニルメタン(Methysulfonylmethan)」という小さな硫黄化合物の略称で、炎症反応や酸化ストレスに関わる物質への影響が示唆され、健康的な関節の維持に役立つ食品成分として注目されている物質です。

 

MSMは、自然界に豊富に存在しており、地球全体を巡る「硫黄循環」の流れに乗って、さまざまな生態系で利用されている物質だと考えられています(1)。硫黄は、アミノ酸やタンパク質などさまざまな生体内物質を構成する重要なミネラルであり、あらゆる生物の生命維持に欠かせない必須元素として知られています。

 

MSMは、ほとんどの動物や植物に存在している物質だと考えられており、私たちの体内でも骨や軟骨、筋肉、皮膚、爪などの全身で、健康を支える重要な機能を果たしていると考えられています。

 

MSMの注目される機能

MSMは、炎症反応を引き起こす重要なシグナル伝達経路へ働きかけることで、炎症反応に影響を与えることが研究から示唆されています(2)。炎症反応に関わる物質への影響を通して関節の健康維持に貢献する可能性が示唆されており、健康寿命への意識の高まりとともに関節機能の重要性が広く知られる近年、高い関心を集めています。

 

また、MSMは、活性酸素の産生に関わるさまざまなシグナル伝達経路へも影響を与える可能性が示唆されており、酸化ストレスが深く関わる疲労感や免疫反応に対する働きへの期待から、疲労感や免疫機能への影響を調べる研究も進められています(3)

 

活性酸素は、免疫機能に貢献している重要な物質で、適量であれば私たちの健康を守る働きをします。しかし、過剰な活性酸素は免疫機能の低下、血管へのダメージ、シワの形成など、多くの問題を引き起こすことが知られています(4)

 

MSMの摂取の影響に関する研究報告

MSMは、さまざまな研究で関節保護への影響が調べられてきており、関節の健康維持に役立つ成分として注目を集める​ようになってきています。この項目では、関節の健康維持や運動機能にMSMがどのような影響を与えるかを調べた研究報告を、いくつか解説していきます。

 

関節の炎症への影響に関する研究報告

MSM摂取の影響を調べた研究では、MSMが関節の違和感の緩和に影響する可能性が示唆されており、高い関心を集めています。

 

関節炎への影響を調べたある研究では、軽度の膝関節の痛みを抱えるボランティアを対象にMSMまたはプラセボを一定期間摂取してもらい、関節の痛みを比較することで影響を評価した結果が報告されています。この研究では、MSMを摂取したグループで痛みのスコアが改善したとともに、ボランティア自身によるアンケートの回答からも痛みが緩和された結果が報告されており、MSMが膝関節の炎症へ影響を与える可能性が示唆されています(5)

 

また、関節での機能がよく知られているグルコサミンとコンドロイチン硫酸をMSMと合わせて摂取した場合の影響を、変形性膝関節症を抱えるボランティアを対象に調べた研究では、これら3つを合わせて摂取したグループで、痛みや身体機能のスコアが改善された結果が報告されています(6)

 

これらの結果はすべての人に当てはまるとは限らず、効果を保証するものではありません。しかし、加齢に伴う膝関節の痛みを抱える人が多い近年、関節の違和感を緩和する可能性が示唆されていることで、MSMは期待を集める成分となっています。

 

運動への影響に関する研究報告

健康長寿への意識が高まるなかで、関節機能の重要性は「運動機能の低下により移動機能の低下した状態」を指す「ロコモティブシンドローム」という言葉でも広く認知されてきています。ロコモの予防には、適度な運動習慣と十分な栄養を摂取する食生活を取り入れることによる、健康的な関節の維持が重要だと考えられています(7)

 

MSMは、炎症反応を引き起こすさまざまな物質や、酸化ストレスの原因となる活性酸素に影響を与える可能性が示唆されており、これらが要因となる運動後の疲労感にも影響を与えると考えられ、さまざまな研究で筋肉や運動機能への影響が調べられてきました。

 

ハーフマラソンに参加するマラソンランナーを対象にした研究では、MSMまたはプラセボをレース当日を挟む一定期間摂取してもらい、関節痛や筋肉痛などへの影響が評価されました。この研究では、MSMを摂取したグループで、レース後の筋肉痛と関節痛が軽減される傾向を示す結果が報告されています(8)

 

また、一般男性を対象にMSMまたはプラセボを一定期間摂取してもらい、抵抗運動による筋肉痛や疲労感への影響を検証した研究では、MSMを摂取したグループでは筋肉痛が軽減される傾向とともに、疲労感も回復する傾向があった結果が報告されています(9)

 

これらの結果から、MSMが健康的な運動機能の維持に役立つことが示唆されています。一方で、その影響の有無を断言するためにはさらなる検証が必要であることも示されており、現在もさまざまな研究が進められています。

 

あくまで食品成分であるMSMは、治療や予防を目的に使うことはできませんが、関節の健康維持をサポートする食品成分として高い関心が集まっています。

 

MSMの安全性

MSMは、さまざまな動物実験やヒトを対象とした研究から高い忍容性が示唆されており、安全性が高い物質であると考えられています。

 

MSMの利用と研究が盛んなアメリカのFDAが定める「一般に安全と見なされる物質(generally recognized as safe:GRAS)」には、1日4,845mg以内のMSM摂取が認定されています(3)。MSMの食品への利用は日本でも認可されており、MSMを用いた健康食品の摂取は一般的に安全であることが示唆されています。

 

しかし、アレルギーへの影響やアルコールとの相互作用など、安全性を裏付けるための研究は現在も進められている段階であるため、摂取する際は少量から始め、体調をよく観察することも重要です。

 

また、妊娠中や授乳中の方、すでに薬を服用している方、医療機関での治療を受けている方は、医師に相談をしてから摂取を検討するようにしてください。

 

MSMの取り入れ方

MSMは自然界に幅広く存在しており、穀物や緑黄色野菜、牛乳などにも微量に含まれているため、さまざまな食品から摂取することができます。

 

また、MSMを配合した健康食品やサプリメントは、近年日本でも多く市販されており、関節の健康維持、日常的なコンディショニングのサポートなど、さまざまな目的で利用されています。そのなかでも、関節の健康維持をサポートする食品成分として関心が寄せられているグルコサミンやコンドロイチン硫酸と合わせて配合された製品は、市場に多く流通しています。

 

さまざまな軟骨成分の素となるアミノ糖の一種であるグルコサミンと、高い保水性を特徴とするグリコサミノグリカンの一種であるコンドロイチン硫酸は、どちらも関節を保護する重要な軟骨成分として知られています。炎症への影響が示唆されているMSMと、これらの軟骨成分を併用した場合の影響を調べた研究では、合わせて摂取したグループで痛みや身体機能のスコアが改善されたという報告もあります(6)

 

どの成分がどのように働いたかについて、明確な結論を出すためのさらなる研究が現在も進められており、MSM・グルコサミン・コンドロイチン硫酸には高い関心が集まっています。

 

まとめ

MSMは、関節の違和感の緩和や運動後のコンディション維持などに役立つ可能性が研究から示唆され、健康的な日常生活を送るうえでのサポート素材として注目されています。MSMの摂取による影響に関してはさまざまな研究報告があり、今後もその働きについての理解が進むことが期待されています。

 

ただし、MSMはあくまで食品成分であり、医薬品のような治療効果や即効性を保証するものではありません。すでに痛みやこわばりなどの症状がある人は、適切な治療を優先することが重要です。

 

関節機能を健康に保つためには、適度な運動などの基本的な対策を取るとともに、ご自身の体調や生活スタイルに応じてMSMなどの食品成分を上手に取り入れていくことが大切です。


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