成分と栄養素
肌に良い食べ物ランキング 美肌を支える食生活のポイントを解説!
健康スペシャルティ
公開日 2026/08/19
最終更新日 2026/10/22
ハリのある肌とは?
私たちの肌は、表皮・真皮・皮下組織の3層構造でできています。
肌のハリには、真皮ではたらくコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸が深く関わっており、それぞれ次のような役割を果たしています。
- コラーゲン:強靭な線維を作り、真皮で鉄筋のようなネットワークを作ることで、肌の土台を支えるタンパク質
- エラスチン:ゴムのような伸縮性のある線維を作り、コラーゲンをつなぎあわせることで、肌の弾力を支えるタンパク質
- ヒアルロン酸:コラーゲンとエラスチンで作られる線維構造のすき間で、たくさんの水分を蓄えることで、肌のうるおいを保つ多糖
これらの成分が弾力性のある真皮を作ることで、肌がしっかりと引き締まり、ハリのある状態を保つことができます。
肌のハリが失われる主な原因
1. 加齢による成分の減少
肌のハリを支えるコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸は、真皮にある線維芽細胞によってつくられますが、その合成能力は年齢とともに低下していきます。
研究では、皮膚のコラーゲン量の減少は20歳前後から始まり、40歳以降は年間約1%ずつ失われ、80歳ではピーク時の約25%まで減少することが示唆されています(1)。また、エラスチンやヒアルロン酸も加齢とともに量が低下してしまい、真皮の構造が崩れやすくなってしまいます。
真皮を支える主要成分が減少することで、肌の弾力が失われ、シワやたるみが目立つようになります。
2. 紫外線による光老化
肌の老化には、加齢による自然老化と、紫外線ダメージの蓄積による光老化があります。
光老化は、特に肌への悪影響が大きいとされています。紫外線ダメージは、線維芽細胞の機能低下や、エラスチン線維構造の破壊などを引き起こします。その結果、肌は硬くなり、深いシワが刻まれやすくなってしまいます(2)。
光老化の進行は、紫外線対策で防ぐことができるため、日焼け止めや帽子・日傘の活用は美肌維持の基本といえるでしょう。
3. 栄養バランスの乱れ
栄養バランスの偏った食生活は、ハリ不足の原因になります。
タンパク質やビタミンなどが不足してしまうと、線維芽細胞が十分にコラーゲンを合成できなくなり、肌のハリが失われる恐れがあります。
美肌のためには、栄養バランスのとれた食事が不可欠なのです。
美肌におすすめの栄養素と食品成分8選
この項目では、食事で意識して摂りたい代表的な栄養素と、肌のハリやうるおいを保つ機能が注目される食品成分をご紹介します。
1.タンパク質
20種類のアミノ酸が結合してできる化合物で、肌だけでなく全身の組織を形成する重要な栄養素のひとつです(3)。
タンパク質を摂取することで、コラーゲンやエラスチンを体内合成するためのアミノ酸を補給することができます。
肉・魚・卵・大豆製品に多く含まれており、動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく摂取することで、さまざまなアミノ酸を補給することができます。
2.ビタミンC
コラーゲンの体内合成に必要な栄養素のひとつで、欠乏してしまうとコラーゲン合成が抑制され、肌荒れだけでなく全身の不調につながる重要な栄養素です(4)。
また、抗酸化作用も大きな特徴のひとつで、老化現象の要因となる酸化ストレスを抑え、肌へのさまざまなダメージを防ぐと考えられています。
果物や緑黄色野菜に多く含まれるため、これらを積極的に摂取することでコラーゲン合成や酸化ストレス防止につながります。
3.亜鉛
タンパク質を合成する酵素のはたらきや、線維芽細胞の増殖などを幅広くサポートする、正常な真皮の形成に欠かせないミネラルです(5)。
動物性タンパク質とあわせて摂取すると吸収効率が高まるとされており、赤身肉や卵黄などから摂取すると効果的です。
4.コラーゲンペプチド
大きな分子であるコラーゲンをあらかじめ酵素で分解し、低分子化することで吸収効率を高めた成分です。
コラーゲンペプチドのなかでも、「PO・OG」と呼ばれる特徴的なペプチドを含むものは、線維芽細胞によるコラーゲンやヒアルロン酸の産生を促す可能性が研究で示唆されています(6)。
コラーゲンの摂取を考える際は、分子サイズや成分に着目したコラーゲンペプチドを活用することをおすすめします。
5.エラスチン
コラーゲン同士をつなぎ、ゴムのような弾力を与えるエラスチンも、肌のハリに欠かせない成分です。
線維芽細胞への影響を調べた研究では、サケ由来のコラーゲンペプチドとエラスチンペプチドをそれぞれ単体で加えた場合と比べ、両方を加えた場合の方が細胞増殖を大きく活性化した結果が報告されています(7)。
エラスチンとコラーゲンをセットで摂取することで、相乗効果が期待できます。
6.プロテオグリカン
タンパク質と糖の複合体で、コラーゲンとともに真皮で高い保水性を発揮するだけでなく、細胞の増殖を促すなど、幅広い機能で注目を集める成分です(8)。
近年まで非常に高価な成分だったプロテオグリカンも、ハリとうるおいの両方を支える重要成分として、食品への利用が拡大しています。
7.セラミド
表皮のなかでも最も外側にある角質層に含まれる脂質で、角質細胞の間で水分を保持し、外部刺激から肌を守る「バリア機能」を担っています。
セラミドは肌のターンオーバーの過程で作られる成分ですが、加齢によって合成能力が低下することで、乾燥肌などの悪影響が生じやすくなってしまいます。
セラミドは玄米などにも含まれており、米から抽出したセラミドを摂取する「内側からのケア」も注目されています。
8.ヒアルロン酸
糖が連なってできるグリコサミノグリカンという多糖の一種で、その保水性の高さが大きな特徴です。
自身の重さの最大10,000倍もの水分を保持することができるとされており、皮膚だけでなく関節軟骨や眼球など、さまざまな組織を支えています(9)。
ヒアルロン酸は、真皮のコラーゲン・エラスチン線維のすき間で水分を蓄えうるおいを保つだけでなく、皮膚を作る細胞に栄養や成長因子を届け、細胞機能を制御する重要な役割も果たします。
肌に良い食べ物ランキング
それでは、これまでご紹介した栄養素や注目成分を踏まえ、「日常の食卓で取り入れやすい美肌食材」をランキング形式で見ていきましょう。
第1位:卵
「完全栄養食品」と呼ばれる卵は、動物性タンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく含んでいます。
9種類の必須アミノ酸がどの程度バランスよく含まれるかを100点満点で表す「アミノ酸スコア」を見ると、卵はスコア100の良質なタンパク源とされています。
タンパク質だけでなく、亜鉛や鉄分といったミネラル、ほぼ全てのビタミンなど豊富な栄養素を含んでおり、さまざまな調理方法で摂取しやすい特長もある優秀な食品です。
ただし、卵にはビタミンCが含まれない特徴もあるため、緑黄色野菜や果物などのビタミンCが豊富な食品で補いながら、バランスよく摂取するとより効果的です。
第2位:レバー
鶏・豚のレバーは、アミノ酸スコア100の良質なタンパク源であると同時に、可食部100gあたり約3mgの亜鉛も含んでいます(10)。
コラーゲンなどのタンパク質合成の材料となるアミノ酸だけでなく、タンパク質合成をサポートする亜鉛を効率よく摂取できるため、日常的に取り入れたい食品です。
第3位:納豆・豆腐などの大豆製品
大豆は、植物性タンパク質を摂取することができる代表的な食品で、アミノ酸スコア100の優秀なタンパク源です。
タンパク質合成の材料となるアミノ酸を効率的に補給できるだけでなく、イソフラボンやビタミンなどさまざまな成分を含むため、肌の健康維持に役立つ食品です。
第4位:ブロッコリー・パプリカなどの緑黄色野菜
ブロッコリーやパプリカなどの緑黄色野菜には、美肌に必要なビタミンCが豊富に含まれています。たとえば、ブロッコリーには可食部100gあたり140mg、パプリカは100gあたり150mgのビタミンCが含まれています(10)。
また、緑黄色野菜にはビタミンC以外にもさまざまな抗酸化物質が含まれているため、活性酸素の産生を抑制し、肌の老化を防ぐ働きも期待できます。
第5位:キウイフルーツ、柿などの果物
キウイフルーツや柿は、果物のなかでもビタミンCを豊富に含んでいます。キウイフルーツの黄肉種は可食部100gあたり140mg、柿は100gあたり70mgのビタミンCを含んでおり、良質なビタミンC摂取源となります(10)。
ビタミンCは加熱に弱いため、生で食べやすい果物を適量摂取すると効果的でしょう。
まとめ
肌のハリを保つためには、線維芽細胞による成分合成を支える栄養素を補給する「内側からのケア」と、光老化や乾燥を予防する「外側からのケア」の両方が重要となります。「内側からのケア」には、ランキングに挙げた肌に良い食品だけを活用するのではなく、さまざまな食品からバランス良く栄養を摂ることが重要です。また、コラーゲンペプチドやエラスチンといった食品成分の活用も効果的だと考えられます。
参考資料:
- Decreased Collagen Production in Chronologically Aged Skin: Roles of Age-Dependent Alteration in Fibroblast Function and Defective Mechanical Stimulation
- 光老化は普通の老化とどう違うのですか?│公益社団法人日本皮膚科学会
- たんぱく質の食事摂取基準│厚生労働省
- ビタミンの食事摂取基準│厚生労働省
- Zinc and Skin Disorders
- Food-Derived Collagen Peptides, Prolyl-Hydroxyproline (Pro-Hyp), and Hydroxyprolyl-Glycine (Hyp-Gly) Enhance Growth of Primary Cultured Mouse Skin Fibroblast Using Fetal Bovine Serum Free from Hydroxyprolyl Peptide
- サケ由来コラーゲンペプチドとエラスチンペプチドのヒト皮膚正常繊維芽細胞(SF-TY)におけるヒアルロン酸産生促進および細胞増殖への相乗効果
- Role of proteoglycans on skin ageing: a review
- Hyaluronic Acid: A Key Ingredient in the Therapy of Inflammation
- 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年│文部科学省