成分と栄養素
コンドロイチンとは?コンドロイチンの基本情報や効能、よくある疑問をわかりやすく解説!
健康スペシャルティ
公開日 1970/01/01
最終更新日 2026/01/30
コンドロイチンは、私たちの全身の組織を支えている糖鎖の一種で、特に軟骨のクッション性に深く関わることから、関節の健康を支える重要な成分として広く知られています。高齢になるにつれ、関節の硬化や炎症などのトラブルが起きやすくなると考えられており、健康長寿における関節機能の重要性から、軟骨組織の維持に不可欠な働きをするコンドロイチンへの関心はますます高まっています。
この記事では、コンドロイチンがどのような物質なのかという基本情報から、機能に関するさまざまな研究報告、摂取のポイントなどをまとめて解説していき、皆さんの健康をサポートする情報をお届けします!
コンドロイチンとはどんなもの?
コンドロイチンの基本情報
コンドロイチン(コンドロイチン硫酸)は、私たちの関節を保護する軟骨の主な成分のひとつで、糖が連なってできるグリコサミノグリカンという多糖の一種です。
グリコサミノグリカンには、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸、ヘパリンなどさまざまな種類がありますが、なかでもコンドロイチン硫酸は関節軟骨を構成するグリコサミノグリカンの大部分を占めています。
コンドロイチン硫酸は、水分子を大量に保持することができる特殊な構造を持っており、その高い保水力で関節への衝撃を和らげる軟骨の機能を支えることで知られています(1)。
また、実はコンドロイチン硫酸は全身の至るところに存在している成分で、皮膚や角膜などのさまざまな組織を保護する働きや、神経の発達や正常な脳機能を支える働きなど、私たちの健康に欠かせないさまざまな役割を果たす重要な成分であることも知られています(2)。
コンドロイチンとプロテオグリカン
私たちの体内では、コンドロイチン硫酸は主にプロテオグリカンという複合糖質を構成する糖鎖として存在しています。
プロテオグリカンは、コアタンパク質にグリコサミノグリカンが結合した構造を持つ複合体です。軟骨で働くプロテオグリカンには、大量のコンドロイチン硫酸が結合しており、その高い保水力により軟骨のクッション性を支えています。
また、プロテオグリカンはコンドロイチン硫酸を活用することでさまざまな構造を取ることができ、軟骨の分解を抑制して修復を促す機能や、細胞表面で成長因子の情報伝達を支える機能などを発揮していると考えられています(3)。
コンドロイチンと軟骨の構造
私たちの軟骨の大部分は、骨組みのような役割を果たすコラーゲン線維の網目構造の間に、緩衝材のような役割を果たすプロテオグリカンが詰まった構造となっています。
軟骨を支えるⅡ型コラーゲンによる網目構造と、豊富な水分を蓄えるプロテオグリカンのクッション性が正常に機能することで、毎日さまざまな荷重がかかる関節部で衝撃から骨を守ることができます。
プロテオグリカンの保水性の要であるコンドロイチン硫酸は、日々さまざまな荷重から関節部を守っている軟骨の機能に欠かせない存在として、高い関心を集めています。
関節の健康とコンドロイチン
関節の健康の重要性
超高齢化社会を迎えた日本では、健康寿命の重要性が提唱され、どのように健康な状態を維持するかが注目されています。
そのなかで、要介護状態となる主な原因のうち、約25%を骨折・転倒や関節疾患などの運動器の障害が占めるという背景から、「運動器の障害のために移動機能が低下した状態」としてロコモティブシンドローム(ロコモ)が定義され、食習慣や運動習慣を中心とした生活習慣の改善によるロコモ予防が重要視されています(4)。
また、軟骨組織は加齢に伴い、荷重による機械的ストレスや細胞老化などの要因が重なることで、軟骨の分解が合成を上回るようになり、健常な組織の維持が難しくなると考えられています(5)。
ロコモの予防には関節の健康維持が非常に重要となるため、健康な軟骨組織を支える可能性が研究で示唆されるコンドロイチンにも高い関心が集まっています。
変形性膝関節症とコンドロイチン
変形性関節症は、少しずつ軟骨が摩耗していくことで関節に炎症が起こり、痛みや可動域の制限を伴うようになる疾患です。
特に負荷がかかりやすい膝関節で起こる変形性膝関節症は、50歳以上の1000万人が疼痛を経験している疾患とされており、健康寿命を伸ばすうえでの重要な課題と考えられています(6)。
コンドロイチン硫酸は軟骨での重要性から、変形性関節症への影響がさまざまな研究で調べられてきました。
コンドロイチンの関節への効果に関する研究報告
この項目では、コンドロイチン硫酸の摂取による影響を調べた研究報告をご紹介します。
過去に多くの研究でコンドロイチン硫酸の変形性膝関節症への効果が検証されてきましたが、そのなかから適切な試験のデータを網羅的に解析して統合し、変形性膝関節症に対する影響を評価する研究が2015年に報告されました。
計9,000人近くのデータを解析したところ、特に試験期間が6ヶ月未満の短い研究で、コンドロイチン硫酸を摂取したグループではプラセボと比べて痛みが緩和されていたという解析結果が報告されています。また、安全性の指標となる有害事象のリスクも低かったという解析結果が報告されており、コンドロイチン硫酸が関節の痛みを緩和する可能性が示唆されています(7)。
さらに近年、コンドロイチン硫酸の変形性膝関節症への影響は、日本人を対象とした長期間の研究でも調べられています。
この研究では、変形性膝関節症を抱える日本人ボランティアを対象に、1日260mgの低用量コンドロイチン硫酸、または1日1,560mgの高容量コンドロイチン硫酸のいずれかを1年間摂取してもらい、関節機能や痛みへの影響を評価しました。その結果、特に重症の人では1日1,560mgのコンドロイチン硫酸の摂取による痛みの緩和が大きかったことが報告されています。また、1日260mgのグループでも、摂取開始時と比べると痛みが改善される傾向にあったという結果も報告されています(8)。
関節機能での重要性が知られるコンドロイチン硫酸は、これらの研究結果からも関節の健康維持に貢献する成分として期待が寄せられています。
ただし、これらの結果はすべての人に当てはまるものではなく、摂取により必ず関節の違和感へ影響があるとは限りません。これらの研究でも、コンドロイチン摂取の影響についてさらなる検証の必要性が示されています。
コンドロイチン摂取のポイント
コンドロイチンが豊富な食品
コンドロイチンは、鰻やドジョウ、豚足、牛すじ、もずく、山芋といった「ネバネバした食材」に、比較的多く含まれていると考えられています。そのため、これらの食材を取り入れることで、コンドロイチンを日常的に摂取することにつながると考えられます。
しかし、こうした食材にどの程度コンドロイチンが含有されているかは明確ではなく、市場ではサメ軟骨などから抽出したコンドロイチンを含むサプリメントが摂取源として流通しています。
コンドロイチンを意識的に摂取する場合は、継続的に一定量を摂取しやすいサプリメントを活用することも選択肢のひとつになります。
グルコサミンとの組み合わせ
コンドロイチンとともに軟骨を構成する主要成分としてよく知られるグルコサミンは、多くのサプリメントでコンドロイチンと合わせて含有されています。
グルコサミンとコンドロイチンはよく混同されてしまいますが、これらの違いをまとめると、次の表のようになります。
表1. グルコサミンとコンドロイチンの違い
|
グルコサミン |
コンドロイチン |
|
|
分類 |
アミノ糖 |
グリコサミノグリカン |
|
主な機能 |
グリコサミノグリカンやタンパク質の糖鎖を作る材料 |
軟骨の形成、水分保持やクッション性の維持 |
グルコサミンとコンドロイチンは、共に関節の保護で重要な役割を果たす物質であり、1日1,000mgのグルコサミン塩酸塩と1日800mgのコンドロイチン硫酸を継続して摂取した研究では、関節の痛みを緩和する結果が報告され、関節の健康維持に役立つ可能性が示唆されています(9)。
すべての人で研究と同様の効果が得られるとは限りませんが、このような製品を選択肢のひとつとして取り入れることも、関節の健康維持を目指すうえで役立つ可能性があると考えられます。
摂取を注意すべき人
コンドロイチン硫酸は、一般的には安全性の高い物質だと考えられていますが、すでに薬を服用している方や妊婦・授乳中の方は、どのような影響があるかが不透明なため、医師に相談のうえ摂取することを推奨します。
また、コンドロイチンと一緒に含有されることが多いグルコサミン塩酸塩は、エビやカニの殻に含まれるキチンという成分から作られるため、これらにアレルギーがある方は避けるとより安全です。
もし関節の症状や痛みが酷い場合は、医療機関での治療を優先する必要があります。健康的な生活を維持するためには、適切なコンドロイチンの活用法を押さえることが重要です。
まとめ
コンドロイチンは、健康的な生活をサポートする食品成分として注目されています。関節の違和感に対する影響を示唆するさまざまな研究報告があり、今後もその働きについての理解が進むことに多くの期待が寄せられています。
ただし、コンドロイチンはあくまで食品成分であり、医薬品のような治療効果や即効性を保証するものではありません。
関節の健康を維持するためには、適度な運動を日常生活に取り入れるなどのロコモ予防の基本を押さえるとともに、必要な場合は適切な治療を優先することが大切です。そのうえでご自身の体調や生活スタイルに合わせて、コンドロイチンを上手に取り入れていくと、健康的な関節の維持に役立つと考えられます。
参考資料: