成分と栄養素

アントシアニンの効果5選|視力や血管への効果を高めるためのポイントを解説

健康スペシャルティ

公開日 2024/12/18

最終更新日 2024/12/18

アントシアニンは、ブルーベリーやナスの皮などに含まれる赤紫色の色素成分で、強力な抗酸化作用を持つフラボノイドの一種です。この成分には、視力低下の予防や血管機能の維持、免疫力向上など、健康促進に役立つさまざまな効果があります。

 

本記事では、アントシアニンの具体的な効果や、摂取を効率的に行うポイントを詳しく解説します。視力や血管を健康に保ちたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

アントシアニンとは

 

アントシアニンは、植物に広く存在する水溶性の色素で、主に赤、紫、青色を植物の花、果実、葉に与えるフラボノイドの一種です。紫外線からの保護などの機能があります。特に、ブルーベリーやビルベリー、黒豆、ナスの皮など、赤紫色や青紫色の食品に多く含まれています。

 

アントシアニンは抗酸化作用を持ち、健康に対する多くの効果が報告されています。主に、抗炎症作用や抗がん作用、心血管疾患の予防、肥満の抑制、糖尿病の軽減などです(1)。アントシアニンは水溶性で、調理や加工によっても比較的安定しているため、日常の食事に取り入れやすい成分として注目されています。

 

アントシアニンの効果

 

アントシアニンの効果は、主に3つ挙げられます。

 

  • 視力低下を予防

  • 抗酸化作用

  • 血管の機能維持

 

詳しく解説します。

 

視力低下を予防

 

アントシアニンは、目の健康を守る成分として広く知られています。網膜に存在するロドプシンという視覚色素の再合成を促進し、視力をサポートする栄養素です(2)。ロドプシンは光を受けると分解され、再度合成されますが、長時間目を酷使すると再合成が間に合わず、視力低下に関与します。

 

また、アントシアニンは血管と毛様体筋を弛緩し、目の調整力を改善する効果が期待できます(3)。パソコンやスマートフォンの使用が多い現代では、アントシアニンを含む食品を積極的に摂取すると、目の疲れを軽減し、快適な生活をサポートしてくれるでしょう。

 

抗酸化作用

 

アントシアニンは抗酸化作用を持ち、体内で発生する活性酸素を除去する働きがあります(4)。具体的には、アントシアニンは脂質過酸化を抑制し、細胞膜の安定性を維持することで、細胞の健康を保護する作用です。

 

活性酸素は、細胞を傷つける原因となり、老化や病気を引き起こす要因になります。この抗酸化作用により、アントシアニンは心血管疾患のリスク軽減に関与するとされています。

 

血管の機能維持

 

アントシアニンは血管内皮の機能を改善し、血管の拡張を促進することで、血流を改善します。これにより、心血管疾患のリスクを低減する可能性があります。これらの効果は、アントシアニンが血管の内皮細胞における一酸化窒素(NO)の生成を促進し、血管の弾力性を改善することによるものです(5)。

 

免疫力の維持

 

アントシアニンは、リンパ球やマクロファージ、樹状細胞などの免疫細胞に影響を与え、免疫系の調節に関与する栄養素です(6)。また、ナチュラルキラー細胞マクロファージの活動を促進し、病原体への防御力を高めるとされています。

 

さらに、腸内細菌のバランスを整えることで腸管免疫をサポートし、全身の免疫機能を強化する効果も期待されます。これらの特徴から、アントシアニンは免疫の強化や維持に重要な役割を果たし、日常的な摂取が健康促進に大切です。

 

脂肪の減少

 

アントシアニンは脂肪酸合成を抑制し、炎症を軽減することで体重を減少させる効果があります。例えば、ブルーベリーやブラックベリーに含まれるアントシアニンは、高脂肪食を与えられたマウスにおいて体重増加を抑制し、脂肪組織の重量を減少させると報告されています(7)。

 

アントシアニンは、血清脂質を改善し、肝臓の脂質蓄積を減少させるのに効果的です。結果的に、血中のトリグリセリドやコレステロールのレベルが低下し、脂質代謝が改善されます。

 

アントシアニンを多く含む食品一覧

 

アントシアニンは、ブルーベリーやブラックベリーなどのベリー類に豊富に含まれる青紫色の色素成分で、抗酸化作用が高いと知られています。具体的な含有量などを以下で解説します。

 

食品名

100gあたりの含有量

ブルーベリー

100〜200mg前後

ブドウ

50〜100mg前後

イチゴ

20mg前後

黒豆

40㎎前後

ナス

80㎎前後

 

これらの食品を日常的に取り入れることで、抗酸化作用を活かして老化予防や生活習慣病のリスク軽減に役立てられます。

 

アントシアニン・ルテイン・ゼアキサンチンの違い

 

アントシアニン、ルテイン、ゼアキサンチンはいずれも目の健康に良いとされる成分ですが、それぞれの役割は異なります。(以下の表で詳しく解説します。

 

 

アントシアニン

ルテイン

ゼアキサンチン

分類

フラボノイド系ポリフェノール

カロテノイド

カロテノイド

効果

  • 抗酸化作用による細胞保護

  • 炎症抑制

  • 免疫力強化

  • 視機能改善

  • 抗酸化作用による目の黄斑部保護

  • 有害な青色光の吸収

  • 加齢黄斑変性症のリスク低下(8

  • ルテインと同様に目の黄斑部を保護

  • 青色光の吸収

  • 加齢黄斑変性症や白内障の予防(8

含まれる食品

ブルーベリー、黒豆、紫キャベツ、なす

ほうれん草、ケール、卵黄、ブロッコリー

パプリカ、とうもろこし、ほうれん草

 

これら3つの成分をバランスよく摂取することで、目の健康をトータルでケアできるため、普段の食事やサプリメントで意識的に取り入れるのが重要です。

 

アントシアニンの摂取方法

 

アントシアニンを効率的に摂取するためには、摂取タイミングと摂取目安量を考慮するのが大切です。それぞれ解説します。

 

摂取タイミング

 

アントシアニンの摂取タイミングは、基本的に食事と一緒がおすすめです。これは、食事中に他の栄養素と一緒に摂ると胃が活発になり、吸収効率が向上するためです。また、脂溶性のビタミンと一緒に摂取することで、吸収が促進されます。

 

アントシアニンは体内に長く留まらないため、1日に何度かに分けて摂取することが効果的です。サプリメントを利用する場合は、製品の推奨タイミングを参考にしながら、自分の生活リズムに合わせて摂取すると良いでしょう。

 

摂取目安量

 

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、アントシアニンの具体的な摂取基準は設けられていません。そのため、製品パッケージに記載されている推奨方法を守るのが大切です。

 

アントシアニンは水に溶けやすく、すぐに排出されやすいため過剰摂取の心配は少ないです。しかし、サプリメントで一度に高濃度のアントシアニンを摂取しないようにしましょう。

 

アントシアニンの副作用や注意

 

アントシアニンは、過剰に摂取すると下痢や腹痛などの消化器系の問題を引き起こす可能性があり、注意が必要です。また、特定の疾患で治療中の方や薬を服用している方は、相互作用の可能性を考慮する必要があります。特に抗凝固薬や抗血小板薬を使用している場合、アントシアニンが血液凝固に影響を与える可能性があるため、医師に相談しましょう。

 

アントシアニンの吸収を高めるポイント

 

アントシアニンは水溶性のポリフェノールで、吸収率を高めるにはいくつかポイントがあります。まず、脂質と一緒に摂取することで腸での吸収が促進されます。例えば、ブルーベリーをヨーグルトやナッツと一緒に摂ると良いでしょう。また、食物繊維や乳酸菌を摂取することで腸内の善玉菌が増え、ポリフェノールの代謝がスムーズになります(9)。

 

アントシアニンがおすすめの人

 

アントシアニンは以下に当てはまる方におすすめです。

 

  • 視力低下が気になる人

  • 生活習慣病を予防したい人

  • 美容に力を入れている人

 

詳しく解説します。

 

視力低下が気になる人

 

デスクワークやスマホの使用で目が疲れる人にとって、アントシアニンはおすすめです。この成分は、目の網膜にあるロドプシンという物質の再合成を助けることで、目の疲労を軽減し、視力の維持に関与します。また、暗い場所での視認性を改善する働きも期待されており、夜間の運転や作業が多い人にもおすすめです。日常的に目を酷使している人は、アントシアニンを摂取して目の健康をサポートしましょう。

 

生活習慣病を予防したい人

 

生活習慣病が気になる人にもアントシアニンは効果的です。抗酸化作用、抗炎症作用により、血管の健康を保ち、動脈硬化や高血圧のリスクを軽減します。また、アントシアニンは、インスリン抵抗性を改善し、血糖値を安定させる効果があるとされています。普段の食事にアントシアニンを豊富に含む食品を取り入れることで、身体の内側から健康を守ることが可能です。

 

美容に力を入れている人

 

アントシアニンは、美容を意識する人にも最適な成分です。抗酸化作用は、肌の老化を促進する原因である活性酸素を中和する効果があります。シミやシワの予防、肌のハリを保つ効果が期待できるため、日々のスキンケアと併せて摂取すると内側から美しさをサポートします。特に、紫外線を浴びる機会が多い人には、アントシアニンを含む食品やサプリメントの活用がおすすめです。

 

アントシアニンを摂取して健康を維持しましょう

 

アントシアニンはブルーベリーやナスの皮などに含まれるポリフェノールです。抗酸化作用、血管機能の維持、視力低下の予防が期待されます。目の網膜にあるロドプシンの再合成を促し、目の疲れを軽減するため、目を酷使する方に有効です。

 

アントシアニンは水溶性で体内に留まらないため、1日数回に分けて摂取するのがおすすめです。食品から摂取する場合はブルーベリーや黒豆、紫キャベツなどを積極的に取り入れ、脂質と一緒に摂取すると吸収率が向上します。サプリメントを利用する際は、適切な摂取量を守り、健康維持や美容のサポートに役立てましょう。


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