成分と栄養素
高濃度EPAサプリメントの効果とは?選び方や摂取方法を解説
健康スペシャルティ
公開日 2024/10/21
最終更新日 2024/12/16
健康をサポートする高濃度EPAサプリメントをご存じでしょうか。EPAは、魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸で、体内で生成できない必須栄養素です。血液中の中性脂肪を減らし、心血管疾患の予防や慢性的な炎症の抑制が期待されています。
本記事では、高濃度EPAサプリメントの具体的な効果や選び方、摂取方法を詳しく解説します。健康診断で中性脂肪が気になる方や心血管リスクを抱える方に特におすすめです。適切な摂取で健康な毎日をサポートしましょう。
EPA(エイコサペンタエン酸)とは
EPA(エイコサペンタエン酸)は、オメガ3系脂肪酸の一種であり、魚類に多く含まれる成分です。魚類に含まれるEPAは、エサであるプランクトンから合成されるため、より多く摂取している魚類で高くなります(1)。そのため、大型の魚類に多く含まれる傾向です。
EPAは体内で生成できない必須脂肪酸で、食事からの摂取が必要です。血液中の中性脂肪低下による心血管の健康をサポートします。また、うつ病の症状を緩和する可能性もあり、精神的健康への関与が考えられています。
高濃度EPAサプリメントの効果
高濃度EPAサプリメントの効果は、以下の3つが挙げられます。
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血管機能を維持
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炎症反応を抑制
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中性脂肪の減少
それぞれ詳しく解説します。
血管機能を維持
EPAは、血管内皮細胞の機能を改善し、血管の柔軟性を保つことで、動脈硬化や高血圧の予防に効果的です。また、EPAは血小板の凝集を抑制し、血栓の形成抑制にも関わります。研究では、虚血性心疾患の患者が魚を多く摂取すると死亡率が減少、高コレステロールの患者にEPA製剤を投与した場合、冠動脈疾病の発症リスクが低下しています(2)。このようにEPAは血管機能をサポートする栄養素です。
炎症反応を抑制
EPAは、炎症反応を抑える作用もある栄養素です。体内で炎症を引き起こす物質であるプロスタグランジンやロイコトリエンの生成を抑制し、炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-6など)の分泌を減らします。
また、EPAはレゾルビンやプロテクチンといった炎症を鎮める物質を生成し、炎症性細胞の活動を抑制することで、炎症をコントロールします(3)。
急性の炎症は感染症への免疫反応として重要ですが、慢性的な炎症は動脈硬化や関節リウマチなどの疾患を悪化させる原因です。EPAは、これらの炎症を抑制する多面的な作用を持ち、慢性炎症の予防や改善に役立つ可能性があります。
中性脂肪の減少
EPAは、血液中の中性脂肪を減少させる効果がある栄養素です(4)。EPAは小腸で脂肪分解酵素(リパーゼ)によって分解され、肝臓に運ばれます。その後、肝臓で中性脂肪の合成や分泌を抑制する作用を発揮します。この働きにより、動脈硬化のリスクが減少する可能性があります。
脂質の高さに悩む方には、食事や生活習慣の見直しと併せて、高濃度EPAサプリメントの活用が効果的です。EPAは中性脂肪を減らすだけでなく、血液をサラサラにする作用もあるため、心血管疾患の予防にも役立ちます。魚やサプリメントを日常的に取り入れ、健康的な身体を維持しましょう。
高濃度EPAサプリメントの選び方
高濃度EPAサプリメントを選ぶ際は、以下の3点を考慮します。
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第三者機関による検査や認証マークの有無
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コストパフォーマンスの高い製品
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EPAの配合濃度
ポイントを抑えて自分に合ったサプリメントを選びましょう。
第三者機関による検査や認証マークの有無
高濃度EPAサプリメントを選ぶ際、第三者機関による検査や認証があるかを確認するのが大切です。認証がある製品は、不純物や有害物質の混入がないことが保証されており、安心して使用できます。以下で具体的な認証マークを紹介します。
内容 |
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GMP (Good Manufacturing Practice) |
GMP(Good Manufacturing Practice)は、安全性や品質基準を満たすように製造されていることを保証する基準。GMPマークは基準を満たした製品につけられます。 |
機能性表示食品 |
機能性表示食品は、事業者が科学的根拠に基づいてその機能性を表示するものであり、消費者庁に届け出を行った商品につけられます。 |
NSF International |
公衆衛生の向上を目的とした基準の開発、製品の試験や認証、リスク管理を行う機関。NSFマークは厳しい基準をクリアした証です。 |
高濃度EPAサプリメントを選ぶ際は、上記のような認証マークがある商品がおすすめです。
コストパフォーマンスの高い製品
サプリメント選びでは、コストパフォーマンスも重要です。日常的に摂取するのが大切であるため、金銭的にも負担が少ない商品がよいでしょう。例えば、1日あたりの摂取コストが手頃で、EPAが十分な濃度で含まれている製品を選ぶと効率的です。
また、定期購入やまとめ買いを利用すると、コストを抑えながら長く続けやすくなる場合があります。コストと品質のバランスをしっかり見極め、無理なく継続できる製品を選びましょう。
EPAの配合濃度
高濃度EPAサプリメントを選ぶ上で、EPAの含有量は大切です。EPAを含むオメガ3脂肪酸の摂取量は、1日あたり1,700〜2,300mg程度が目安です(5)。配合量濃度が低いと摂取しても効果を感じにくい可能性があります。ただし、食事からも多く摂取している場合は、過剰摂取のリスクがあるため調整しましょう。
高濃度EPAの副作用
高濃度EPAの副作用として、以下の3つが挙げられます。
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出血リスクの増加
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免疫機能の抑制効果
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肝機能障害のリスク
詳しく解説します。
出血リスクの増加
EPAの過剰摂取は血液が固まりにくくなり、出血リスクが高まる可能性があります。そのため、抗凝固薬や抗血小板薬を使用している場合は、摂取を控えるか、医師か薬剤師に相談するのが大切です。また、手術を控えている場合や外傷のリスクが高い環境では、摂取を一時的に中断することが推奨されます。
免疫機能の抑制効果
EPAは抗炎症作用を持つ一方で、過剰摂取により免疫機能に影響を与えます。EPAは抗炎症作用を持つため、慢性的な炎症や自己免疫疾患による炎症を軽減するのに効果的です。しかし、過剰な摂取は必要な免疫反応を抑制する可能性があります。そのため、風邪や感染症にかかりやすい人は注意が必要です。適切な摂取量を守り、免疫機能への影響を最小限に抑えるのが大切です。
肝機能障害のリスク
EPAサプリメントを長期間過剰に摂取すると、肝臓での代謝が追いつかず、肝機能障害を引き起こす可能性があります。特に、肝臓に疾患を持つ人や過去に肝機能異常を指摘されたことがある人は、摂取量に注意が必要です。健康診断などで定期的に肝機能をチェックすると安心して摂取できるでしょう。
高濃度EPAサプリメントの摂取方法
サプリメントを摂取する際は、以下の3点を意識しましょう。
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摂取タイミング
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摂取量
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摂取頻度
それぞれ詳しく解説します。
摂取タイミング
高濃度EPAサプリメントを効率的に摂るには、タイミングを工夫するのが大切です。EPAは脂溶性の成分であるため、食事の際に摂取すると吸収率が高まります。特に、脂質を含む食事と一緒に摂ると効果的です。たとえば朝食や夕食と組み合わせると、体内への取り込みがスムーズに進むでしょう。
空腹時に摂取すると、胃腸に負担をかける場合があります。胃が弱い人は避けた方が良いです。EPAは継続して摂取することが必要なため、タイミングを決めて摂取すると習慣化しやすくなります。
摂取量
高濃度EPAサプリメントを摂取する際は、ラベルに記載されている摂取量を守りましょう。過剰摂取になることはほとんどありませんが、食事や他のサプリメントでもEPAを多く摂取している場合は、その分EPAサプリメントの摂取を控える必要があります。また、抗凝固薬や抗血小板薬など血液に作用する薬を服用している場合は、医師に相談して摂取を検討しましょう。
摂取頻度
高濃度EPAサプリメントの摂取頻度は、基本的には毎日摂ることが推奨されます。EPAは体内で作り出せない必須脂肪酸であるため、食事やサプリメントから継続的に補うことが必要です。
また、1日の推奨量を1回で摂るよりも、複数回に分けて摂ると体内のEPA濃度が維持しやすくおすすめです。たとえば、朝食後と昼食後、夕食後に分けて摂取することで、身体に負担をかけずにEPAを安定的に供給できるでしょう。
高濃度EPAサプリメントがおすすめな人
高濃度EPAサプリメントは、特に次のような人におすすめです。
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中性脂肪の値が気になる人
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心血管疾患リスクが高い人
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炎症性疾患を抱えている人
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血管の老化が気になる人
上記のとおり、高濃度EPAサプリメントは中性脂肪が高い人、心血管リスクを抱える人、慢性炎症疾患のある人などにおすすめです。ただし、使用前には健康状態を確認し、必要に応じて医師や薬剤師に相談しましょう。
高濃度EPAを適切に用いて健康を維持しましょう
高濃度EPAサプリメントは、オメガ3系脂肪酸の一種であるEPAを豊富に含み、中性脂肪低下や心血管疾患予防、炎症の抑制をサポートします。EPAは体内で合成できない必須脂肪酸のため、食事やサプリメントから摂取する必要があります。
サプリメント選びでは、EPA濃度や第三者機関の認証、コストパフォーマンスを確認するのが大切です。摂取量目安量はラベルに記載されている数値を守り、EPAを含めたオメガ3脂肪酸は1日あたり1,700〜2,300mg程度が目安です(5)。他のサプリメントや薬剤を使用している場合、使用前に医師や薬剤師に相談してからの摂取がおすすめです。