成分と栄養素
魚油・深海魚油で生活習慣病を予防!深海魚油の効果や選び方を徹底解説
健康スペシャルティ
公開日 2024/10/08
最終更新日 2024/12/16
魚油や深海魚油に含まれるオメガ3脂肪酸は、生活習慣病の予防や健康維持に役立つ成分です。EPAやDHAが豊富に含まれ、血流改善や炎症の抑制をサポートが期待されています。また、深海魚油は、生息環境が浅い魚よりも汚染されにくい点で、重金属や汚染物質が少ないです。
本記事では、魚油や深海魚油の具体的な健康効果や選び方、摂取方法について詳しく解説します。生活習慣病の予防や健康向上を目指す方は、ぜひご覧ください。
魚油・深海魚油とは?
魚油は、魚の脂肪から抽出された油脂で、健康に良いとされるオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。魚油の中でも、深海魚油は深海に生息する魚から抽出されたもので、オメガ3脂肪酸が高濃度で含まれている点が特徴です。
これらの脂肪酸は、健康維持や病気の予防に役立つ成分として知られています。主に、抗炎症作用、血圧低下作用に関与します(1)。深海魚油は一般的に重金属や汚染物質が少ないとされていますが、近年の海洋汚染の影響により、加工時には高度な精製技術が必要です。
魚油・深海魚油に含まれるオメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、人間の体内では生成できない必須脂肪酸であり、健康維持に重要です。魚油や深海魚油には、主に以下の成分が含まれています。
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EPA|エイコサペンタエン酸
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DHA|ドコサヘキサエン酸
それぞれ詳しく解説します。
EPA|エイコサペンタエン酸
EPA(エイコサペンタエン酸)は、心血管の健康維持に重要な成分です。健康的な血流をサポートする効果があり、血小板の凝集を抑えることで血栓の形成を予防する可能性があります。また、悪玉コレステロール(LDL)の低下や、中性脂肪の減少にも関与し、動脈硬化や高脂血症のリスクを低下すると報告されています(1)。
EPAは抗炎症作用も持ち、炎症性疾患や関節炎の症状改善に役立つ成分です。サバ、イワシ、サンマや魚油サプリメントを摂取することで効率的に補うことができ、健康的な食生活をサポートします。
DHA|ドコサヘキサエン酸
DHA(ドコサヘキサエン酸)も健康に重要な役割を果たす成分です。DHAは特に脳や神経系、目の網膜に多く含まれ、認知機能や視力の維持に関与します(2)。また、DHAは健康的な血流をサポートする作用があり、心血管疾患のリスクを低下させる効果が期待されています。
青魚(サバ、サンマ、イワシなど)はDHAを豊富に含む代表的な食品です。DHAは体内では十分に生成できないため、魚の缶詰やサプリメントも利用して効率的にDHAを摂取するのが大切です(5)。
魚油と深海魚油の違い
魚油と深海魚油は、抽出元や成分濃度に違いがあります。魚油は主にサバやイワシなどの一般的な魚から抽出され、EPAやDHAを多く含みます。一方、深海魚油は深海に生息する魚を原料とし、オメガ3脂肪酸が特に高濃度で含まれる点が特徴です。
深海魚油の抽出時には、水銀やダイオキシンといった重金属や海洋汚染物質の除去が重要です。高品質な深海魚油製品は、精製過程でこれらの不純物を取り除き、安全性を確保しています。超臨界流体抽出法を使用した商品がおすすめです。これは、汚染物や余分な成分などを取り除く手法です。
高濃度の深海魚油がおすすめの理由
高濃度の深海魚油は、少量で豊富なオメガ3脂肪酸を摂取できる点がメリットです。EPAとDHAの含有量が高いため、心血管疾患の予防、脳の機能維持、炎症の軽減などの効果が期待できます。
また、高度な加工技術により、深海魚油の製造過程で重金属やダイオキシンなどの海洋汚染物質が徹底的に除去されており、安全性も確保されています。そのため、汚染物質を気にせず摂取できる点がおすすめです。
魚油の摂取方法
魚油を摂取する際は、以下3つがポイントです。
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摂取タイミング
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1日の摂取目安量
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効果を発揮するまでの時間
詳しく解説します。
摂取タイミング
魚油を摂取するタイミングは、効果をより引き出すために大切です。魚油は脂溶性のため、食事と一緒に摂取することで吸収率が高まります。特に、脂肪を含む食事と一緒に摂ると効果的です。
また、毎日一定のタイミングで摂取すると血中のEPA、DHA濃度を安定させられます。摂取のタイミングは、朝食や夕食など、食事のタイミングに合わせると良いでしょう。一度に大量に摂取するよりも、朝と夜に分けて摂取すると、胃腸への負担を軽減し、胃酸の逆流などの副作用を防ぐこともできます。
1日の摂取目安量
魚油の摂取量は、年齢や健康状態によって異なりますが、一般的な目安として1日あたりEPAとDHAの合計で約1,600〜2,400mgが適切です(3)。この範囲では、安全に摂取できます。ただし、高用量の摂取はかえって健康を損なうリスクがあるため注意が必要です。
サプリメントを使用する際は製品の表示を確認し、1回分に含まれる成分量を守るのが大切です。魚や魚油の摂取による栄養補給は、食生活全体のバランスを考慮しながら行いましょう。魚油だけに頼るのではなく、食事に多様な栄養素を取り入れるのが基本です。
効果を発揮するまでの時間
魚油の効果が現れるまでの目安として、摂取後少なくとも数週間が必要です。例えば、心血管の健康を改善する目的で摂取を開始した場合、摂取開始後3〜6週間で血中トリグリセリド濃度の低下が見られると報告されています(4)。
個人差が大きい点も念頭に置き、自分の体調や変化をしっかり観察して摂取しましょう。短期間で成果を求めるのではなく、無理なく長期的に続けることで効果を実感できる可能性が高まります。
魚油・深海魚油を摂取する際の注意点
魚油や深海魚油を摂取する際は「魚油の摂取による副作用」や「他の薬剤・サプリメントの併用」に気を付けるとより効果的です。それぞれ詳しく解説します。
魚油の摂取による副作用
魚油を摂取する際には、副作用に注意が必要です。大量に摂取すると、胃の不快感、下痢、吐き気などの症状が現れる可能性があります。また、魚油には血液をさらさらにする働きがあるため、手術を控えている方や抗凝血剤を使用している方は、摂取前に医師に相談するのが重要です。
魚介類アレルギーがある方は、アレルギー反応で皮膚のかゆみや腫れ、呼吸が苦しくなるといった症状が出る場合があります。そのため、魚油を初めて使用する際は、慎重に様子を見ながら使用してください。
他の薬剤・サプリメントの併用
魚油は特定の薬剤と相互作用を起こす可能性があります。例えば、抗凝血剤や抗血小板剤と併用すると、血液凝固に影響を与え、出血リスクが高まる傾向です。また、高血圧の薬と一緒に摂取すると、血圧が過剰に低下するリスクがあります。
サプリメントとの組み合わせにも注意が必要です。ビタミンAやビタミンDが豊富に含まれる製品を多量に摂取すると、副作用を引き起こすリスクがあります。魚油を摂取する際は、他のサプリメントや薬とのバランスを考慮して摂取するのがおすすめです。
魚油・深海魚油サプリメントの選び方
魚油サプリメントを選ぶ際は、以下の4点がポイントになります。
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第三者機関の認証マークがあるか
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魚油の配合濃度は十分か
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重金属や可塑剤は含まれていないか
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魚油の抽出方法
詳しく解説します。
第三者機関の認証マークがあるか
魚油サプリメントを選ぶ際、品質の保証として第三者機関の認証マークが付いている製品を選ぶと安心です。認証マークは、製品が厳しい基準を満たしていることを示しており、安全性や品質が確認された証拠です。
特徴 |
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IFOS (International Fish Oil Standards) |
製品が重金属や酸化物、PCB(ポリ塩化ビフェニル)などの有害物質を含まないことを保証するマーク。 |
NSF (National Sanitation Foundation) |
NSFマークは、製品が厳格な試験と監査を経ていることを示し、消費者に信頼を提供するマーク。 |
GMP (Good Manufacturing Practice) |
GMP認証は、製造プロセスが適切に管理され、製品が汚染されていないことを示すマーク。製造施設の設備、従業員の訓練、品質管理手順などが含まれる。 |
上記のようなマークの記載があるかを確認することで、低品質な製品や不純物が含まれた製品を避けられます。サプリメント選びは、健康に影響するため、高品質で安全な製品を選びましょう。
魚油の配合濃度は十分か
サプリメントの効果を得るためには、EPAとDHAの配合濃度が十分である製品を選ぶのが大切です。配合濃度が低い製品を選ぶと、必要な効果を得るために多量を摂取しなければならず、吸収率も金銭的にも効率が悪いです。また、高濃度であれば摂取回数を減らすことができ、毎日摂取する負担を軽減できます。製品選びの際は、ラベルに記載された成分表をしっかり確認しましょう。
重金属や可塑剤は含まれていないか
深海魚由来の魚油を選ぶ際には、重金属や可塑剤の含有について注意が必要です。これらの物質は、人体に有害で長期的な健康リスクをもたらす可能性があります。
重金属濃度は、食物連鎖の影響を受けるため、上位に位置する大型魚は重金属の蓄積が多いです。そのため、さばやイワシ、サンマなどの小型魚を原料とした製品を選ぶと安心です。安全性を最優先に考えてサプリメントを選びましょう。
魚油の抽出方法
魚油の抽出方法も品質に大きな影響を与えます。低温圧搾法や分子蒸留法を用いた製品は、不純物を取り除きながら有効成分を保つため、安心して摂取可能です。一方、高温処理が行われている製品は、酸化が進みやすく、品質が劣る可能性があります。
酸化が進むと、魚油独特の臭いが強くなり、摂取がしづらくなる場合があります。新鮮さを保つための技術が用いられているかも製品選びのポイントです。製造過程について情報を公開しているメーカーもあるので、選ぶ際には参考にしてください。
また、魚油の抽出方法は吸収率にも影響します。未加工の魚油(TG形式)をエステル化すると高濃度の魚油(EE形式)が得られます。しかし、吸収率はTG形式の方が高いです。そこで、高濃度の魚油(EE形式)を再エステル化した魚油(rTG形式)を選ぶと、吸収率が高くおすすめです。
魚油・深海魚油で生活習慣病を予防しましょう
魚油や深海魚油に含まれるオメガ3脂肪酸は、生活習慣病の予防や健康維持に重要な成分です。EPAとDHAは健康的な血流をサポートし、心血管疾患や動脈硬化のリスク低下に関わります。
深海魚油は、重金属や汚染物質が少なく、高度な精製技術で重金属や汚染物質を除去しているため安全です。このように精製技術によって安全性が高められており、信頼できます。食事とともに1日1,600㎎以上摂取できると良いでしょう。
また、製品を選ぶ際は、第三者機関の認証マークや高濃度のEPA・DHAを含む製品か考慮するのも大切です。摂取量を守りながら日常的に摂取しましょう。