サプリメント選び方

サプリメントで使用される指標一覧:品質や安全性に関わる指標

健康スペシャルティ

公開日 1970/01/01

最終更新日 2025/05/13

「毎日飲んでいるサプリメント、本当に効果があるの?」

「品質や安全性が気になるけれど、どの基準を信じればいいかわからない…」

 

サプリメント市場には数多くの製品が流通しており、選ぶ基準がわからず悩む人は少なくありません。品質を保証する指標はさまざまですが、それぞれの違いを理解している人はほとんどいません。

 

そこで、本記事ではサプリメントの品質や安全性を判断するための主要な指標を一覧で紹介します。サプリメント選びで迷わないために、主要な指標を理解し、自分に合った商品を選びましょう。

 

1. GMP認証

 

Good Manufacturing Practice(適正製造規範)に基づいて、製品の品質と安全性を確保するための基準です。製造工程全体を通して、適切な管理が行われていることを第三者機関が確認した基準になります。GMP認証はガイドラインにおいて3原則が定められています。

 

GMPのガイドライン3原則(1)

 

・各製造工程における人為的な誤りの防止

・人為的な誤り以外の要因による製品そのものの汚染および品質低下の防止

・全製造工程を通じた一定の品質の確保

 

上記の3原則を主軸に、各種検査を行っています。検査項目は多岐にわたりますが、まとめると以下の8項目です。

 

衛生管理

①従業員の衛生管理

手洗いや作業服の着用、健康状態の確認など、従業員が製品を汚染しないようにするための管理をしているか。

 

②施設の清掃と消毒

製造エリアや設備の定期的な清掃・消毒が適切に行われているか。

 

③害虫・害獣対策

製造施設内に害虫や害獣が侵入しないような対策が取られているか。

設備と施設

①施設の設計と構造

製造施設が清潔で、汚染を防ぐ設計になっているか(例: 床、壁、天井の材質や換気システム)。

 

②設備の適合性

製造に使用される機器や設備が適切に設置され、定期的に点検・校正されているか。

 

③ゾーニング

製造エリアが適切に区分けされ、交差汚染を防ぐ仕組みがあるか(例: 原料、製品、廃棄物の動線の分離)。

製造過程の管理

①標準作業手順書(SOP)の整備

製造や検査に関する手順書が整備され、従業員がそれに従って作業しているか。

 

②バッチ記録の管理

各製造ロットの記録が適切に保管され、トレーサビリティが確保されているか。

 

③原材料の受け入れと管理

 原材料が適切に検査され、品質が保証されているか。

品質管理

①試験検査

原材料、中間製品、最終製品に対して適切な試験が行われているか。

 

②製品の安定性試験

 製品が一定期間、品質を維持できることを確認する試験が実施されているか。

 

③不良品の管理

不良品が適切に識別・隔離され、再利用や廃棄が適切に行われているか。

保管と流通

①保管条件

製品や原材料が適切な温度・湿度条件で保管されているか(例: 温度マッピングの実施)。

 

②在庫管理

先入れ先出し(FIFO)や期限管理が適切に行われているか。

 

③輸送条件

製品が輸送中に品質を損なわないような対策が取られているか

文書管理

①記録の保存

製造や品質管理に関する記録が適切に保存されているか。

 

②変更管理

 製造プロセスや設備に変更があった場合、その変更が適切に記録・承認されているか。

 

③監査対応

内部監査や外部監査の結果が記録され、改善が行われているか

教育と訓練

①従業員の教育

GMPに関する教育や訓練が定期的に実施されているか。

 

②資格認定

特定の作業を行う従業員が必要な資格やスキルを持っているか。

リスク管理

①CAPA(是正措置・予防措置)

問題が発生した際に、原因を特定し、再発防止策が講じられているか。

 

②苦情対応

製品に関する苦情が適切に記録・調査され、必要な対応が取られているか。

 

③リコール手順

製品のリコールが必要な場合、迅速かつ適切に実施できる体制が整っているか

 

2. IFOS認証

 

IFOS(International Fish Oil Standards)認証は、魚油製品の第三者認証プログラムです。製品の純度、安全性、安定性、有効成分濃度を評価するための世界的な基準です。この認証は、Nutrasource Diagnostics社によって運営されており、魚油製品が一定の品質基準を満たしていることを保証します(2)。

 

以下で、IFOS認証の基準を具体的に解説します。

 

純度

製品が重金属(例: 水銀、鉛)、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、ダイオキシンなどの有害物質を含まないことを確認します。

有効成分

濃度

製品がラベルに記載された通りのEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の含有量を満たしていることを確認します。

透明性

IFOS認証を受けた製品は、テスト結果を公開しており消費者が確認できる透明性を保っています。

安全性

製品が汚染物質を含まず、消費者にとって安全であることを確認します。

安定性

製品が一定期間、品質を維持できることを確認します。

酸化が進んだ魚油は品質低下や健康への影響が懸念されるためです。

 

これら5つの基準が適応され、クリアしている基準に応じて星1〜5のどれかが与えられ、弊社では星5を獲得しています。

 

3. EMAS認証

 

EMAS(Eco-Management and Audit Scheme)は、EU(欧州連合)が制定した環境管理および監査制度です。組織が環境を評価・改善するための枠組みを提供する制度です。

 

サプリメントの製造では、原材料の調達から製品の製造、包装、輸送に至るまで、環境負荷を最小限に抑えることが求められます。EMAS認証を取得することで、これらの過程が環境に配慮した形で行われていることを証明できます。

 

4. NSF認証

 

NSF(National Sanitation Foundation)は、1944年に米国で設立された非営利団体で、公衆衛生と安全性の向上を目的としています。NSF認証は、製品が特定の安全基準や品質基準を満たしていることを第三者機関として保証するものです(3)。サプリメント、食料、飲料水、医療機器など幅広く適応されています。

 

 

内容

材料の安全性

製品に使用されている材料が人体に有害な物質を含まないことを確認。例えば、重金属(鉛、カドミウムなど)、BPA(ビスフェノールA)、その他の有害化学物質が基準値以下であることを検査します。

性能試験

製品がその目的に応じた性能を発揮するかを評価します。

衛生性

製品が衛生的に設計されているかを確認します。

耐久性

製品が長期間使用されても安全性や性能が維持されるかを確認します。

汚染物質の検査

製品が特定の汚染物質を含まないことを確認します。

例として、以下のような物質が検査対象です。

 

重金属(鉛、カドミウム、ヒ素など)

農薬や除草剤

微生物(細菌、ウイルス、クリプトスポリジウムなど)

広告表記の正確性

製品のラベルや広告が、実際の性能や安全性を正確に反映しているかを確認します。

 

上記の検査項目を、申請から製品評価、試験、工場検査を経て認証が付与されます。

 

5. ISO 22000

 

ISO 22000は、食品安全マネジメントシステム(FSMS)の国際規格であり、食品やサプリメントの製造における安全性を確保するための基準です(4)。食品の生産から消費に至るすべての段階(フードチェーン)における食品安全リスクを管理することを目的としています。

 

食品の生産者、加工業者、輸送業者、流通業者、飲食店、さらには食品包装材の製造業者や関連サービス業者など、フードチェーンに関わるすべての組織に適用されます。

 

6. JHFA認定マーク

 

JHFA認定マークは、公益財団法人日本健康・栄養食品協会(Japan Health Food Authorization)が付与する認証マークです。このマークは、健康補助食品の品質、安全性、表示内容が厳格な基準を満たしている商品につけられます(5)。

 

製品規格の基準

外観や性状、パッケージに記載された成分の含有量の確認をします。また、安全性の検査として、残留農薬、重金属、一般細菌、大腸菌群などの検査が行われます。

製造・加工基準

原材料の品質管理、製造施設や加工施設の衛生管理、作業者の衛生管理が徹底されているかを審査します。

表示・広告の適正性

パッケージ表示: 製品のパッケージに記載されている情報が、食品衛生法や薬機法(旧薬事法)などの法律に適合しているかを確認します。

 

HFA認定マークは、健康食品の品質と安全性を保証する重要な指標であり、消費者が安心して製品を選べるようサポートします。

 

7. 栄養機能食品

 

栄養機能食品は、特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するものです(6)。

 

栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が、定められた上・下限値の範囲内にある必要があるほか、基準で定められた当該栄養成分の機能だけでなく注意喚起表示等も表示しなければいけません(食品表示基準第7条及び第21条)。機能を表示できる成分は、以下の表の成分のみです。

 

脂肪酸

n-3系脂肪酸

ミネラル

亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム

ビタミン

ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸

 

栄養機能食品として認められている場合、パッケージに「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です」のように表示ができます。

 

8. 特定保健用食品

 

特定保健用食品は、食品に含まれる「保健機能成分(関与成分)」が、身体の生理学的機能に影響を与え、特定の健康効果をもたらすことを科学的に証明した商品です(7)。摂取により、特定の保健の目的が期待できる旨を表示できます。例えば、パッケージに「コレステロールの吸収を抑える」と記載できます。

 

特定保健用食品として販売するには、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受け、許可を得なければなりません(健康増進法第43条第1項)。そのため、このマークが記載されている商品は信頼できるでしょう。

 

9. 機能性表示食品

 

機能性表示食品は、事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出ると、機能性を表示できます(8)。

 

特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行わないので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。

 

10. 栄養補助食品

 

栄養補助食品とは、日常の食事だけでは十分に摂取できない栄養素を補うために利用される食品のことです。医薬品ではなく、疾病の治療や予防を目的とするものではありません(9)。栄養補助食品は、健康な人が対象で、栄養不足を気にしている人や、特定の栄養素を補いたい人に適しています。

 

主に、サプリメント、エネルギー補給ゼリー、プロテインパウダーなどがあります。国が定義や制度化している食品ではなく、保健機能食品のような機能性を表示できません。

 

11. 健康補助食品

 

健康補助食品とは、日常の食事だけでは不足しがちな栄養素を補うことを目的とした食品です(9)。財団法人日本健康・栄養食品協会が提唱しているもので、国が定めている言葉ではありません。

 

栄養補助食品と健康補助食品は名前が似ていますが、「栄養補助食品」は栄養素の補給に特化した食品、「健康補助食品」はより広い健康維持・増進を目的とした食品です。どちらも法的な定義はなく、機能性を表示することはできません。

 

まとめ

 

サプリメントを選ぶ際には、品質や安全性を示す指標を確認することが重要です。代表的な指標として GMP認証、IFOS認証、栄養機能食品の表示があります。

 

これらは国や世界で認められている指標であるため、協会等が出している指標よりも信頼性が高いです。サプリメント製品を選ぶ際は、この指標を確認すると、より安心してサプリメントを摂取できるでしょう。

 

 

 


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