加齢の悩み

コレステロールを下げる方法とは?高くなる原因についても解説!

健康スペシャルティ

公開日 2024/11/11

最終更新日 2024/11/21

コレステロールの数値が上がると、動脈硬化や心疾患の危険性があります。ただ、自覚症状が出現しにくく、コレステロール値が高くても気づかない場合も多いです。そのため、日常からコレステロールに気を使った生活を送ることが大切です。

 

この記事では、コレステロールを下げる方法や高くなる原因について解説していきます。コレステロールの数値が気になっている方は、ぜひご覧ください。

 

コレステロールの作用

 

コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料となる重要素です。ホルモンでは、ステロイドホルモン(テストステロンやエストロゲン)の合成にも不可欠であり、生殖機能や身体の調子を整える役割を果たします。

 

また、ビタミンDの代謝にも関わり、骨の健康や免疫機能の向上に寄与します。しかし、コレステロールが過剰になると、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。一方、不足するとホルモンバランスが崩れ、免疫力が低下することもあるため、適切なバランスが重要です(1)。

 

コレステロールが高くなる原因

 

コレステロールが高くなる原因は3つ挙げられます。

 

  • 飽和脂肪酸の過剰摂取

  • ストレス

  • 基礎疾患の影響

 

それぞれ解説していきます。

 

飽和脂肪酸の過剰摂取

 

飽和脂肪酸は、動物性脂肪に多く含まれており、肉やバター、加工食品がその主な食べ物です。この脂肪は、体内でのコレステロールの合成や中性脂肪の蓄積を促進します。飽和脂肪酸の摂取が多いと、悪玉コレステロール(LDL)の濃度が上昇し、血管壁に沈着しやすくなり、動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。

 

反対に、不飽和脂肪酸(オリーブオイル、ナッツなど)の摂取が多いと、LDLが減少し、血管の健康に効果的です。日常的に肉やバターを多く摂取する人は、植物性油脂や魚に含まれる不飽和脂肪酸を積極的に摂るのがおすすめです。

 

ストレス

 

ストレスは、コレステロールの増加と関係があるとされています。強いストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、特にグルココルチコイド(コルチゾール)を増加させることで、脂肪の蓄積を促進します(2)。また、ストレスによる暴飲暴食や喫煙、飲酒といった行動は、さらにコレステロール値を悪化させる要因です。

 

結果として、悪玉コレステロール(LDL)が増加し、動脈硬化リスクが上がります。そのため、心身のストレス管理がコレステロール値のコントロールにもつながります。

 

基礎疾患の影響

 

糖尿病や甲状腺機能低下症などの慢性疾患もコレステロールに影響を及ぼします。糖尿病では、インスリンの働きが低下し、肝臓での脂肪合成が促進されるため、中性脂肪やLDLコレステロールが増加する傾向です(3)。

 

また、甲状腺機能低下症においては、脂質代謝が滞り、血中の脂質濃度が高まります。さらに、家族性高コレステロール血症という遺伝的な疾患も影響し、LDL受容体の異常によって悪玉コレステロールが体内に溜まりやすくなります。

 

コレステロールの基準値

 

コレステロールの基準値は以下の4項目が用いられます。

 

LDLコレステロール

(悪玉コレステロール)

140mg/dL以上で高い

HDLコレステロール

(善玉コレステロール)

40mg/dL未満で低い

トリグリセリド(中性脂肪)

150mg/dL以上が高い

non-HDLコレステロール

170mg/dL以上で高い

(参考:動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版

 

これらの数値が必ずしもリスクと直結するわけではなく、年齢や性別、生活習慣なども影響します。そのため、健康診断での指標を参考にしながら、生活習慣の改善に取り組むことが大切です。

 

コレステロールを下げる方法

 

コレステロールを下げる方法は大きく2つあります。

 

  • 定期的な運動習慣

  • 生活習慣の改善

 

それぞれ解説していきます。

 

定期的な運動習慣

 

定期的な運動は、コレステロール値を管理するうえで非常に効果的です。運動によってブドウ糖や脂肪酸が細胞内で消費されるため、LDLコレステロールと中性脂肪が減少します。特に1日30分以上の有酸素運動が推奨され、ウォーキング、ジョギング、水泳といった中強度の運動が効果的です(4)。

 

また、筋力トレーニングも有効で、脂肪の燃焼を促し、悪玉コレステロールの低下が期待できます。日常生活に運動習慣を取り入れることで、コレステロールのコントロールがしやすくなるでしょう。

 

生活習慣の改善

 

コレステロールを下げるためには生活習慣の改善も大切です。具体的には以下の4つの改善が必要です。

 

  • 飽和脂肪酸の制限と不飽和脂肪酸の摂取

  • 水溶性食物繊維の摂取

  • タウリンの摂取

  • 禁煙・禁酒

 

それぞれ解説します。

 

飽和脂肪酸の制限と不飽和脂肪酸の摂取

 

飽和脂肪酸の摂取を控え、不飽和脂肪酸を積極的に摂取することはコレステロール低下につながります。飽和脂肪酸は主に動物性脂肪や加工食品に含まれ、過剰摂取は悪玉コレステロールが増加する要因です(5)。一方で、不飽和脂肪酸は、心血管の健康を保ち、虚血性心疾患のリスクを低下させるとされています。

 

各脂肪酸が含まれる食品は以下の通りです。

 

飽和脂肪酸

100gあたりの含有量

不飽和脂肪酸

100gあたりの含有量

やし油

83.96

えごま油

58.3

ココナッツ

55.25

くるみ

8.96

バター

52.43

さば

6.56

マーガリン

39.00

さんま

5.59

チョコレート

22.87

ぶり

3.73

(参考:食品成分データベース|厚生労働省

 

飽和脂肪酸の摂取は、総摂取エネルギーの7%以下に抑えるのが適切です。そのため、1日当たりおよそ140gまでの摂取にしましょう。

 

水溶性食物繊維の摂取

 

水溶性食物繊維は、消化吸収を助けるだけでなく、コレステロールの低下にも効果的です。特に、水溶性食物繊維は胆汁酸の排泄を促進する作用があります(6)。胆汁酸の生成には、コレステロールが消費されるため、血中コレステロールの低下が期待できるでしょう。また、水溶性食物繊維は小腸でコレステロールや胆汁酸の吸収を阻害し、体外に排出させる効果もあります。

 

水溶性食物繊維が含まれる食べ物は以下の通りです。

 

水溶性食物繊維

100gあたりの含有量

こんにゃく

73.3

らっきょう

18.6

大麦

6.0

大豆

5.9

ココア

5.6

(参考:食品成分データベース|厚生労働省

 

水溶性食物繊維は1日当たり男性で21g以上、女性で18g以上摂取すると良いでしょう(7)。

 

タウリンの摂取

 

タウリンは、LDLコレステロールの減少やHDLコレステロールを増加する作用があります(8)。胆汁酸の排泄を促進することでコレステロールのバランスを保つため、血管の健康に対する効果が期待出来るでしょう。タウリンは、イカやタコなどの魚介類に豊富に含まれています。また、タウリンは血圧を安定させ、血管を拡張させる作用もあるため、高コレステロールに伴う心血管疾患の予防に効果的です。

 

具体的な摂取目安量は決められていませんが、タウリンを1日435mg摂取するのを7週間継続するとLDLコレステロールが低下します(9)。

 

禁煙・禁酒

 

喫煙はLDLコレステロールを増加させ、HDLコレステロールを減少させるため、コレステロール値に悪影響を与えます(10)。また、過度な飲酒も中性脂肪の上昇を引き起こしますが、適度な飲酒はHDLコレステロールを上昇させる効果もあります。適量を守れば、動脈硬化予防に役立つ可能性があるため、節度を持った飲酒習慣が大切です。禁煙・節酒は、血中脂質のバランス改善やコレステロール低下に加え、全体的な健康維持に大きく関わります。

 

まとめ

 

コレステロールは、細胞膜の構成やホルモン合成、ビタミンDの代謝など、身体の健康に欠かせない要素ですが、過剰に摂取すると動脈硬化や心疾患のリスクが高まります。コレステロールが高くなる原因には、飽和脂肪酸の過剰摂取、ストレス、基礎疾患(糖尿病や甲状腺機能低下症)などがあり、生活習慣が大きく影響します。

 

コレステロールを下げるには、定期的な運動や食事改善が重要で、不飽和脂肪酸や水溶性食物繊維、タウリンの摂取が効果的です。また、禁煙・適度な飲酒もコレステロールのバランスを保つために有効です。コレステロール基準値を参考に、バランスの取れた生活習慣を心がけましょう。


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