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免疫力が下がる3つの原因とは?免疫力を高める栄養素や生活習慣を解説

健康スペシャルティ
公開日 1970/01/01
最終更新日 2025/06/26

「最近、風邪をひきやすくなった」「疲れが抜けにくい」と感じることはありませんか。免疫力が低下すると、ウイルスや細菌への抵抗力が弱まり、感染症にかかりやすくなるだけでなく、慢性的な不調を引き起こすこともあります。
免疫力が下がる主な原因は「栄養不足」「ストレス」「生活習慣の乱れ」の3つです。不規則な食事や睡眠不足、過度なストレスは免疫細胞の働きを低下させ、病気のリスクを高めます。しかし、免疫力の低下は目に見えにくく、自覚しにくいため、気づいたときにはすでに体調を崩していることも多いです。
本記事では、免疫力が低下する原因と、それを高めるための栄養素や生活習慣について詳しく解説します。日々の生活を見直し、健康な体を手に入れましょう。
免疫力とは
免疫力とは、外部から侵入した病原体や異物に対する防御能力のことです。体内では、リンパ球や好中球、マクロファージなどが働き、病原体を攻撃します。
免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」があります。自然免疫は生まれつき備わっている防御機能で、異物を素早く排除します。獲得免疫は過去に侵入した病原体の情報を記憶し、再び感染した際に素早く反応する仕組みです。
免疫細胞は血液やリンパ液を通じて全身を巡り、異物を感知すると排除します。免疫力が低下すると、ウイルスや細菌に感染しやすくなり、病気のリスクが高まります。例えば、睡眠不足やストレス、栄養不足が免疫力低下の原因です。適度な運動やバランスの取れた食事が免疫機能の維持に重要です。
免疫力が下がる3つの原因
免疫力が下がる原因は、以下の3つが挙げられます。
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栄養バランスの乱れ
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生活習慣の乱れ
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慢性疾患の影響
栄養バランスの乱れ
食生活が偏ると、免疫機能の低下につながりやすいです。特に、ビタミンやミネラルの不足は、免疫細胞の働きを弱めます。
ビタミンAは皮膚や粘膜を保護し、外部からの病原体の侵入を防ぐ作用があります。ビタミンCとEは抗酸化作用があり、細胞のダメージを防ぎます(1)。ビタミンDは免疫細胞を活性化し、B群は代謝を助けます。
これらが不足すると、体内の防御機能が低下しやすいです。また、タンパク質の摂取が不十分だと、免疫細胞の生成が滞ります。加工食品やジャンクフード中心の食生活では、必要な栄養素を十分に摂取できません。免疫力を保つためには、野菜、果物、魚、肉、乳製品、大豆製品などをバランスよく食べることが重要です。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは免疫力を低下させる要因です。睡眠不足が続くと、免疫機能が弱まり、感染症にかかりやすくなります(2)。成長ホルモンの分泌も減少し、身体の修復機能が低下します。睡眠の質を改善するには、規則正しい生活を心がけることが必要です。
運動不足も免疫機能に悪影響を及ぼします。適度な運動は血流を促進し、免疫細胞を活性化させますが、運動不足になると血液の循環が悪くなり、免疫機能が低下します。過度な運動は逆効果になるため、ウォーキングや軽い筋トレなどを継続することが重要です。
ストレスも免疫力を弱めます。ストレスが続くと、コルチゾールというホルモンが分泌され、免疫細胞の働きを抑制します(3)。ストレス解消のためには、趣味の時間を持つ、リラックスできる環境を整えるなどの対策が必要です。
また、食生活の乱れも影響します。ジャンクフードや糖分の多い食品を過剰に摂取すると、腸内環境が悪化し、免疫力が落ちやすくなります。腸内環境を整えるためには、発酵食品や食物繊維を多く含む食品を積極的に摂ることが効果的です。生活習慣を見直し、免疫力を維持することが健康の維持につながります。
慢性疾患の影響
慢性疾患は免疫機能に深刻な影響を与えます。糖尿病では血糖値が高い状態が続き、白血球の働きが低下しやすいです。その結果、細菌やウイルスへの抵抗力が落ち、感染症にかかりやすくなります。
腎不全では老廃物の排出が滞り、体内環境が悪化します。これにより免疫細胞の機能が十分に発揮されず、感染リスクが上がる傾向です。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)やリウマチも免疫低下に関与します。呼吸器系の疾患では肺の防御機能が低下し、細菌やウイルスが侵入しやすくなります。
慢性疾患を持つ人は適切な治療と予防対策をすることが必要です。
免疫力を高める栄養素
免疫力を高めるには、以下の2種類の栄養素が大切です。
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ビタミン群
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微量ミネラル
ビタミン群
ビタミンには、免疫細胞の働きをサポートする役割があります。例えば、ビタミンAは粘膜の健康を維持し、ビタミンCは白血球の機能を向上させます。ビタミンDは免疫細胞の活性化を促進し、ビタミンEは抗酸化作用によって細胞を保護する役割です。
これらを食事からバランスよく摂取することが重要です。以下の表で、各種ビタミンの免疫への影響を示します。
身体への作用 |
含まれる食品 |
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ビタミンA |
粘膜の健康維持、抗ウイルス作用 |
レバー、卵黄、にんじん |
ビタミンB群 |
免疫細胞のエネルギー供給、抗体生成促進 |
豚肉、大豆、玄米 |
ビタミンC |
抗酸化作用、白血球の機能向上 |
柑橘類、パプリカ、ブロッコリー |
ビタミンD |
免疫細胞の活性化、炎症抑制 |
魚類、きのこ類、卵 |
ビタミンE |
細胞の酸化防止、免疫バランス維持 |
ナッツ類、アボカド、植物油 |
これらのビタミンを日常的に摂取することで、免疫力を向上させられる可能性があります。
微量ミネラル
微量ミネラルは、亜鉛、セレン、銅、鉄などの成分があります。各種微量ミネラルの免疫に対する機能を表で紹介します。
免疫機能への影響 |
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亜鉛 |
免疫細胞の増殖と活性化を促進 |
セレン |
抗酸化作用により細胞を保護 |
銅 |
白血球の成熟に関与 |
鉄 |
酸素供給と免疫細胞の活性化 |
微量ミネラルは1日の必要量が少ないミネラルで、その他のカルシウムやカリウムなどのミネラルは1日の摂取量が比較的多いミネラルです。どちらも大切な栄養素なので必要量を摂取しましょう。
免疫力を高める生活習慣
免疫力を高めるには、2つの生活習慣が大切です。
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適度な有酸素運動
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十分な睡眠
適度な有酸素運動
有酸素運動は、血流を促進し、免疫細胞の働きを活発にします。軽いジョギングやウォーキングなどの運動は、免疫力向上に効果的です。適度な運動はストレスホルモンの分泌を抑え、リラックス効果も得られます。
内容は、中等度の負荷がある運動を継続することが重要です。週に3〜5回、30分以上の運動を目安にするとよいでしょう(4)。無理をせず、自分の体調に合わせて行うことが大切です。運動後は十分な休息をとることで、より効果的に免疫力を高められます。
十分な睡眠
睡眠は身体の細胞や機能を回復させるのに重要です。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復が進みます。また、免疫細胞が活性化し、病原体に対する防御機能が高まります。特に、深い睡眠時にはナチュラルキラー細胞やT細胞の働きが活発になり、ウイルスや細菌を撃退する力が向上しやすいです。
睡眠時間が不足すると、免疫機能が低下し、感染症のリスクが高まります。良質な睡眠を得るためには、規則正しい生活リズムを維持し、寝室の環境を整えることが大切です。夕食は就寝の3時間前までに済ませ、カフェインの摂取を控えると眠りやすくなります。適切な睡眠時間を確保し、免疫力を高める習慣を身につけることが健康維持につながります。
免疫力が高い人の特徴
免疫力が高い人には以下のような特徴があります。
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決まった時間に起床し、十分な睡眠をとっている
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栄養バランスのとれた食事を心がけている
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ビタミンC、ビタミンD、鉄分など不足しやすい栄養素をしっかり摂取している
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発酵食品や食物繊維を取り入れて腸内環境を整えている
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適度な運動を行い血流を促進している
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趣味や運動でリフレッシュする時間を確保している
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人とのコミュニケーションを大切にし、笑う機会を増やしている
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睡眠の質を高めるために、寝る前のスマートフォンの使用を控えている
上記のように食事、睡眠、運動を整えて生活している傾向です。自分の生活習慣が乱れていると感じる方は、ぜひ取り入れてみましょう。
免疫力を高めて健康な身体を維持しましょう
免疫力の低下は、風邪をひきやすくなる、疲れが取れにくいといった不調の原因です。主な原因は「栄養不足」「ストレス」「生活習慣の乱れ」の3つです。特にビタミンやミネラルの不足、睡眠不足、運動不足、慢性疾患は免疫力を大きく下げます。
対策としては、ビタミンA・C・D・Eや亜鉛・鉄などの栄養素を食事から摂ることが重要です。また、適度な有酸素運動や良質な睡眠も免疫力向上に効果的です。免疫力が高い人は、規則正しい生活を送り、栄養バランスに気を配り、リフレッシュの時間も大切にしています。
日々の習慣を見直し、免疫力を高めることで、病気にかかりにくい健康な身体を維持しましょう。